☆NY通信 Pro choice, Pro-life

最新号が届きました!
——-
BEIGO Watch [227] Pro-choice, Pro-life 米語 Watch [227] : Pro-choice, Pro-life  
各位、  初夏の風に誘われて、近くの砂浜へジョギングに行ったら、埠頭から釣り人が糸を垂れていました。ヒラメやスズキを狙っているのです。Any luck? と聞いたら、Not yet! と返ってきました。私も近いうちに釣り竿を準備します。 「米語Watch」をお送りします。読んでいただいてありがとうございます。いつでも、楽しいメッセージをお寄せください。-米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)-

Pro-choice, Pro-life 妊娠中絶、容認派・反対派  人工妊娠中絶(Abortion)に関する米最高裁の意見書草稿が外部に漏れ、米社会に大きな衝撃を与えています。アリト判事が、最高裁の多数を占める保守派を代表して、約50年前に妊娠中絶を連邦憲法上の女性の権利だと認定した、Roe対Wade判例を覆す見解を示しているのです。  妊娠中絶を認める側はPro-choice、反対する側はPro-lifeと呼ばれます。 Proは賛意を意味し、Pro-choiceは、中絶するかどうかの選択権(Choice)を女性自身が持つという立場。最新の調査ではアメリカ国民の60%以上が一定の条件のもとに支持しています。一方、Pro-lifeは、受精の時からLife (人命)は始まり、ゆえに原則として中絶手術は許さないという立場で、カトリック教会の教えに沿うものです。  漏れた意見書が示す通り、人工中絶が憲法上の権利ではないと最高裁が決定した場合、中絶をどう扱うかは50州各自に委ねられることになります。 ニューヨーク・タイムズ紙は、最大28州で人工中絶が禁止または極端に制限されると予想しています。  前代未聞の最高裁草稿の漏洩、この中身にPro-life側は歓喜しましたが、Pro-choice側は連日、各地で集会を開き抗議の意を示しています。中絶に関する両陣営の深い対立は、すでに大きく分断された米政治を、ますますの対立と混迷に押しやることでしょう。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)