☆NY通信 “Fentanyl Overdose”

NY通信、最新号が届きました。

BEIGO Watch [238] Fentanyl Overdose 米語 Watch [238] : Fentanyl Overdose      

各位、  中間選挙が終わったアメリカ。投票から丸3日が経ちましたが、まだ上下院コントロールの行方が判明しません。しかし、予期されたRed Wave(共和党の大躍進)が実現しなかったことに、進歩派の友人たちには安堵の表情が浮かんでいます。   「米語Watch」をお送りします。読んでいただいてありがとうございます。いつでも、楽しいメッセージをお寄せください
-米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)- Fentanyl Overdose フェンタニル過剰摂取  米国における麻薬問題は深刻で、とりわけFentanyl が注目されています。 これは、中国産の原料を用いメキシコで安価に合成されるオピオイド(阿片状物質)で、Opium(阿片)の50倍も強力と言われます。しかし使い方を誤ると微量でも死にいたる危険な物質で、米政府の発表によると、フェンタニルを中心とする薬物Overdose(過剰摂取)で亡くなった人は 昨年10万人を超えました。これは米国中で、交通事故や銃で亡くなる人よりもずっと多いのです。  フェンタニル には癌などによる体の痛みを軽減する効果があります。しかし、実際には、非合法な麻薬カルテルが正規の処方薬に似せてアメリカに持ち込んだり、白色のフェンタニルをコカインなどの麻酔薬に混入させたりし、それによる死亡が多発しています。悪質な製薬会社が医者と共謀して違法な処方箋を出させた事件も発覚し、会社の幹部や医者が逮捕されたこともあります。  また、陶酔状態を経験したい若者や子供をターゲットに、虹色に着色したRainbow Fentanylが出回り始め、麻薬取締局は警戒を強めています。フェンタニルの過剰摂取が大問題となっているロサンゼルス市などでは、対策として地元の学校にNaloxoneという解毒剤を常備し始めたと報道されています。米国における薬物の過剰摂取は、日本からは想像できない大きな社会問題です。  (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士)