☆NY通信 “Menty B”

最新号が届きました!

BEIGO Watch [246] Menty B 米語 Watch [246] : Menty B      
各位、  日本は暖かくなって、桜の開花が大きい話題ですね。ちょっと羨ましいです。ニューヨークはまだ寒い日が続いています。それでも、庭ではふきのとうが顔を出し、春の到来を告げています。  「米語Watch」をお送りします。読んでいただいて嬉しく思います。いつでも、楽しいメッセージをお寄せください。

米語Watch(朝日Weeklyおよび週刊NY生活紙に連載中)-  Menty B 精神的不調  ここ数年、TikTokやインスタグラム 上で、米国の若者たちの間に飛び交う言葉Menty Bは、Mental Breakdown(精神的不調)の省略語。落ち込んだり、ゆううつになったり、調子が出ない時に、”I have a little menty b.” と、口に出したり、SNSでつぶやくのです。 アメリカ疾病予防管理センター(CDC) が最近発表した調査によると、若者の多くが精神的不調に陥っていると言います。日常において、悲しみ、落ち込み、絶望感を感じる若い人たちの割合は40%を超えます。この傾向はとりわけ10代の女性に顕著だと分析されています。  パンデミックは全ての人に辛い思いをさせましたが、 特に仲間と過ごす時間が奪われた若者たちの中に、Menty B になる人が増えました。 実際、SNSによって繋がっているようでも、画面上の交信だけでは、往々にして自分が取り残される不安を若者に与えるとの指摘があります。もちろん、人間関係だけではなく、身の回りで増加する犯罪、政治的に分断する社会、さらには不穏な世界情勢など全てが、若者の心を悩ませているのです。  「ちょっとmenty b」という表現は、若い米国人の深刻な精神状態を映しています。しかし、一方で、心の不調を友人たちにさらっと打ち明けることは、自分の気持ちを立て直すきっかけになり得るでしょう。お互いが心を開き、励まし合って、Depression(うつ状態)やSuicidal Thoughts(自殺願望)に陥る前に、精神的不調を少しでも乗り越えてほしいと思います。 (旦 英夫 ニューヨーク州弁護士) 3/10/2023